情報公開
特定臨床研究についての情報公開
当院での臨床研究法下で実施される臨床研究において発生した重大な不適合事案に関する情報を以下のとおり公表します。
なお、本件について認定臨床研究審査委員会にて審議され、当該研究を継続することが許可されています。
※「重大な不適合」とは,
臨床研究の対象者の人権や安全性及び研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすもの
(例えば,選択・除外基準や中止基準,併用禁止療法等の不遵守)
研究課題名 | jRCTs031230329トファシチニブ治療下における関節リウマチ患者に対する乾燥組換え帯状疱疹ワクチンの有効性及び安全性多施設共同オープンラベル無作為化比較試験 |
不適合の内容 | すでに適格性が認められ登録が実施された1例について、再度前治療歴を確認したところ、本臨床研究登録の約7ヵ月前にリツキシマブの最終投与が確認された。このため、除外基準(8)に記載のある「本臨床研究登録前9ヵ月以内にリツキシマブによる治療を受けている患者」に抵触していることが明らかになった。 |
研究対象者への影響 | 特になし |
発生理由 | リツキシマブの最終投与日が9ヵ月よりも前であると誤認していた。 |
再発防止策 | 登録時に前治療歴の確認を徹底するとともに、本研究にかかわる医師、協力者に研究計画書の再度徹底を図る。 他の研究機関への情報共有と再発防止策として、研究支援事務局のモニターおよび定期発行しているニュースレターで選択除外基準の再周知をし、改めて登録前の適格性の確認徹底を促す予定である。 |
研究代表医師の見解 | 最終リツキシマブから30週以上が経過しており試験結果に大きな影響を与える可能性は低く、試験としては重大な除外基準違反にはあたらないと考えられること、ご本人の安全性確保に問題はなくご本人も継続を希望されていることから、試験は続行可とする。 |
当該研究対象者への対応の状況 | 当該研究対象者へは速やかに連絡、経緯をご説明させていただく予定である。 |
当該研究対象者から収集した研究データの取り扱い方針について | 当該研究対象者から収集した研究データの取り扱い方針については、プロトコール10.1の記載に従い、FAS対象(割り付られた研究治療を開始している)、安全性解析対象(研究薬投与を開始した)と考えているが、最終的な採否については症例検討会にて検討する予定である。リツキシマブの通常の投与間隔などから6か月以上のウォッシュアウト期間が望ましいと考えられ、余裕をもって本研究では除外基準を9ヵ月と設定している。本事例では投与終了後7ヵ月以上経過していることから、影響は少ないと考えているが、詳細は症例検討会で慎重に議論し検討する。 |
プロトコール5.2(8)の除外基準の変更要否について | リツキシマブは6ヵ月ごとに投与する薬剤であり、30週以上経過している本事例において試験薬開始および投与継続に臨床的な問題はない。研究としては除外基準に抵触してはいるものの、前述のように試験結果に影響する可能性は低いと考えられることから、試験は継続したうえで、データの取り扱いは症例検討会で慎重に議論する。本事例をもって除外基準自体の変更する必要性はなく、また現実的には2024年3月末で組み入れ期間が終了する予定であるため、変更は行わない。 |
研究に参加いただいている患者のみなさまへ謹んで深くお詫びを申し上げますとともに、今後、このような事案が生じないよう、十分に注意し再発防止を徹底してまいります。