臨床研修指定病院
臨床研修指定病院とは
医師の臨床研修については、インターン制度が廃止されて以来36年ぶりに抜本的な改革が行われ、平成15年より運用が開始されました。診察に従事しようとするすべての医師に臨床研修が義務づけられました。
新たな臨床研修制度では、医師が、医師としての基盤形成の時期に、患者を全人的に診ることができる基本的な診療能力を習得することにより、医師としての資質の向上を図ることを目的としております。
基本的には2年をその期間とし、内科6か月、救急部門3か月、地域医療1か月を必須科目、さらに選択必須科目として外科、麻酔科、小児科、産婦人科及び精神科の5科を設定し、このうち2つの診療科については必ず臨床研修を行うよう義務付けています。このお手伝いを行うのが臨床研修指定病院です。
それぞれの病院は特色のある臨床研修プログラムを作成し研修医に公開します。
研修医は病院見学や実習を通じ、自分の将来の希望に合った臨床研修指定病院を探します。臨床研修指定病院にはそれぞれ受け入れ状況に応じた募集定員が決められていますので、研修医が希望すればそこで研修できるわけではありません。
研修医、臨床研修指定病院がそれぞれマッチング協議会に登録して研修先が決定します。
それまではほとんどの初期研修が出身大学の医局へ所属し行われていましたが、このシステムの導入により、初期研修医が都市部の一般病院に集中してしまい、大学への医師引き上げによる医師不足、地域や診療科目の偏在による医療崩壊など社会問題となっているのも事実です。
臨床研修指定病院の要件
臨床研修の到達目標を達成できる内容の基本理念に沿った研修プログラムを有することや、その指導体制、研修医の将来のキャリアなどに円滑につながるようにすることなどが臨床研修指定病院に求められます。
医療法に規定されている医師数を確保していること、必要な診療科を備えていること、救急医療を提供していること、必要な症例数を有すること(入院患者数、年間3000人以上など)、臨床病理検討会を適切に開催していること、病歴の管理、医療安全などが臨床研修指定病院の要件となります。
国立病院機構相模原病院は新たな臨床研修制度の運用とともに臨床研修病院に指定され、毎年初期臨床研修医を受け入れ、指導しております。近隣の大学はもちろん、全国より研修医が集まり研修を受けております。詳細は初期研修医の項目をご覧下さい。