放射線科
放射線科(診断)
国立病院機構相模原病院放射線科では、以下の検査・治療を行うことができます。
一般撮影 透視検査 MRI検査 | マンモグラフィ 血管造影(検査・治療) RI検査(核医学検査) | 骨密度測定 CT検査 |
一般撮影
“一般撮影”とは、あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、健康診断での胸の写真や骨折した時に撮影する体の骨の写真などのいわゆる“レントゲン写真”のことです。
一般撮影前の準備
一般撮影では、プラスチック(ボタン)や金属(ファスナー)、洋服の模様などが写ります。これらは診断の妨げになる恐れがございますので、検査着に着替えていただく場合がございます。また、時計やネックレス等の貴金属類の他、湿布や使い捨てカイロも同様に写り込んでしまいますので外して下さい。
一般撮影での注意事項
一般撮影は普通のカメラで写真を撮るのと同じで、動いてしまうと写真がブレてしまい、小さな病変を見落とす原因になってしまうことがございます。呼吸や体の動きによるブレを抑えるため、息を止めて撮影を行う場合がございますので担当技師の指示通りにお願いいたします。
マンモグラフィ
“マンモグラフィ”とは、X線を使って乳房の撮影をする乳房専用の検査です。マンモグラフィを撮影することで、視触診では分からなかった早期の乳がんを発見できることがございます。また、触れるしこりが良性であるのか悪性であるのかの鑑別にも有用です。
マンモグラフィの撮影方法
マンモグラフィは左右の乳房を比較することが重要であるため、通常両側の乳房をそれぞれ2方向から撮影します。検査時間は一人10分程度です。
骨密度測定
“骨密度測定”とは、骨密度(骨が“スカスカ”になっていないかどうか)を測定する検査です。
国立病院機構相模原病院での骨密度測定の特徴
国立病院機構相模原病院では、X線を用いることにより、筋肉や脂肪などの厚みに関係なく骨の成分だけを抽出して測定する方法を採用しております。従って、体格などに左右されず、いつも安定した測定値を得ることが可能です。主に骨粗しょう症の診断に用いられる検査です。
国立病院機構相模原病院では、腰椎正面、大腿骨頚部の骨密度を測定しております。腰椎正面や大腿骨頚部は、骨粗しょう症による骨折が生じやすい部位であり、 その当該部位を測定することで、最も正確に骨の状態を評価する事ができます。検査時間は測定する部位によって異なりますが、通常5~20分です。
検査前の準備
骨密度測定は、食事制限や水分摂取の禁止などはございません。 検査当日はボタンや金具等がない服装でお越し下さい。(女性の方でブラジャーをされている方は留め具が測定の妨げになる場合がございますので、 検査前に検査着に着替えていただきます。) 湿布や使い捨てカイロ等は検査前に外して下さい。 胃や腸のバリウム検査、CT、血管撮影などの造影検査、放射線同位元素を使用したRI検査の後に骨塩測定検査を行うと、測定部位にお薬が重なって測定値を過大評価してしまう 恐れがございますので、検査担当者にお伝え下さい。検査中の注意事項
検査中は検査台が上下左右に動きますので、身体を動かすと大変危険です。 また身体を動かしてしまうと画像がぶれて測定結果に支障がでますので、 身体を動かさないようお願いいたします。 呼吸は普段通りにしていただいて構いません。リラックスして検査をお受け下さい。透視検査
“透視検査”とは、名前の通りX線を使用して体を透視することで、骨や内臓の様子を調べる検査です。胃や大腸などの消化管の検査が主になります。しかし、胃や大腸などの消化管は通常の透視ではよく見えませんので、バリウムという造影剤を使用して検査を行います。その他、透視検査は様々な診療科が検査や処置に使用します。
上部消化管検査
上部消化管検査とは、バリウムと発泡剤(胃を空気で膨らます薬)を飲んでいただき、透視装置で食道・胃・十二指腸の一部を撮影する検査です。会社などの健康診断などでよく行われております。下部消化管検査
下部消化管検査とは、専用のチューブを肛門から挿入し、バリウムと空気を使って大腸を撮影する検査です。この検査では、いい写真を撮るために前処置が大変重要となります。透視検査の注意事項
上部・下部消化管検査において、非常に重要なのが検査前の準備(前処置)です。胃や大腸に食物が残っている状態で検査を行いますと病気が食物に隠れてしまったり、食物が病気に見えたりすることがございます。質の高い検査および診断を行うためには、検査前の準備をしっかりしていただくようお願いいたします。血管造影(検査・治療)
“血管造影”とは、手首や足の付根の血管からカテーテルという細い管を挿入し、目的の血管の入り口までカテーテルを持っていき造影剤を注入することで、血管像を連続撮影する方法です。
この方法を応用して、狭くなった血管をステントという器具を用いて拡げたり、異常に大きくなった血管を詰める治療や、がん細胞を大きくしないように抗がん剤を入れてから血管をふさぐ治療などが行われております。
目的に応じて所要時間が変わります。30分程度から治療目的であれば2時間以上かかる場合もございます。
血管造影検査はCTやMRI検査に比べて侵襲性は高いですが、治療では外科的手術と比べて侵襲性の低い方法です。
血管造影検査・治療の注意事項
動脈に針を刺しますので検査中は身体を絶対に動かさないで下さい。万が一、かゆみがあったり、汗を拭きたかったりする場合には、看護師が常時付き添っておりますのでお申しつけ下さい。動脈にカテーテルを挿入しておりますので、検査後は医師の指示があるまで絶対安静となります。CT検査
“CT(コンピュータ断層撮影)”とは、ドーナツ状の機械の中に体を入れ、X線を使用して体の輪切り像を写真にします。これにより、体の内部を精密に調べられる検査です。
最近では、機械の進歩により短時間に体の広範囲を撮影することが可能で、患者さまへの負担が少ない検査と言えます。
CT検査は、全身における全ての疾患が対象で、現在の画像診断では重要な検査であり、診断に大変役立つ検査です。検査時間は検査内容により多少異なりますが、10分~30分程度です。
検査方法
CT検査には、2種類の方法がございます。
1. 単純CT検査 : 造影剤という薬を 使用しないで 撮影を行う方法 2. 造影CT検査 : 造影剤という薬を 静脈注射して 撮影を行う方法症状や病状によって造影剤を使用する場合がございます。造影剤の使用により、質の高い診断(より正確な診断)が可能となります。しかし、極稀に造影剤による副作用が生じることがございます。詳しくは、同意書(承諾書)・問診票をご覧下さい。
MRI検査
“MRI”とはMagnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略です。高磁場を作り出す磁石が入っている機械の中に入り、身体の中を検査します。磁石を使いますので、放射線による被ばくがございません。検査時間は20~50分程度です。
MRIはCTと同様に形をみる診断法です。CTとの違いは撮影のしくみで、CTがX線の通りやすさで写真を作っているのに対し、MRIは磁場で体の中の水素原子を動かし、その動きを写真にしております。
このような検査機器の特性の違いから、検査する場所(部位)や病気に対してそれぞれに得意、不得意がございます。病気や部位によってCTやMRIを使い分けたり、同じ病気でもCTとMRIを両方行う場合があるのはそのためです。
国立病院機構相模原病院でのMRI検査の特徴
国立病院機構相模原病院では、MRI装置が2台稼動しております。動きに対応出来る撮影法を使用しており、不随意運動などで撮像が不可能であった患者さまの頭部検査でも、あたかも止まっているような画像が得られます。
MRI検査では、造影剤を使用せずに胆道系や血管走行の描出を行うことができます。MRIマンモグラフィーも行っており、乳がん検査を行うことも可能です。
MRI検査時のお願い
MRI検査室は、金属を持ち込むと大変危険です。安全を確保するため、毎回チェックシートへの記入をお願いしております。また、金属探知器による確認をさせていただく場合もございます。 MRI検査は、検査中に大きな音が鳴りますので、耳栓などの防音措置を行います。予約検査とは別に緊急検査が入ることがございます。検査時間に遅れが出る場合もございますので、予めご了承願います。 緊急用ブザーをお渡ししますので、検査中に何かございましたら緊急用ブザーで担当技師をお呼び下さい。RI検査(核医学検査)
“核医学検査”とは、放射線を放出する放射性同位元素を含んだ薬(放射性医薬品)を、注射などによって体内に投与し、特定の臓器や病変部に取り込まれた薬から放出される微量の放射線を、体外のカメラで検出し、画像にする検査です。
全国で約1600もの病院(施設)で施行されている、安全の確立された検査となっております。
国立病院機構相模原病院でのRI検査の特徴 その1
国立病院機構相模原病院では、2010年10月より、最新のSPECT/CT装置を導入いたしました。
SPECT/CT装置は、核医学検査装置とCTが一体となった装置です。CTを併用する事により、より解剖学的な位置の同定が可能となります。
核医学画像の機能情報とCT画像の形態情報が組み合わさる事により、容易に集積部位を同定することが可能になります。また、SPECT/CT融合画像は患者さまにも、病態を容易にご理解いただけると思います。
SPECT/CT融合画像を提供できる検査
骨シンチ 副甲状腺シンチ 消化管出血シンチ | 腫瘍・炎症シンチ(Gaシンチ) 副腎皮質 | 胃所性胃粘膜シンチ 髄質シンチ など |
国立病院機構相模原病院でのRI検査の特徴 その2
国立病院機構相模原病院では、心筋血流シンチ(Tl-201)検査を短時間で行うことができます。心筋血流シンチ(Tl-201)検査は、低侵襲に心筋虚血を評価する事ができますが、撮影時間が長いという問題がございました。これに対し、国立病院機構相模原病院では、心臓専用の撮影を使用する事により、従来のおよそ半分の時間にて検査が行えるようになりました。
検査前の注意事項
検査の種類によっては、前処置(前もっての準備)が必要なものがございます。例えば、食事制限をしていただいたり下剤を飲んでいただいたりと、その方法は様々です。検査の予約をする際に、その検査に対する前処置について担当医もしくは担当看護師から説明がございます。
診断部門スタッフ紹介
統括診療部放射線科部長 | 瀧 川 政 和 | 日本医学放射線学会 放射線診断専門医 日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会 専門医 |
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統括診療部放射線科医長 | 大 森 智 子 | 日本医学放射線学会 放射線診断専門医 日本核医学会 核医学専門医 日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会 専門医 |
統括診療部放射線科医長 | 平 川 耕 大 | 日本医学放射線学会 放射線診断専門医 日本核医学会 核医学専門医 |
統括診療部放射線科医師 | 浅 野 雄 二 | 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・認定研修指導者 日本核医学会 核医学専門医 日本核医学学会 PET核医学認定医 |
統括診療部放射線科医師 | 井 上 登士郎 | 日本医学放射線学会 放射線診断専門医 |
統括診療部放射線科医師 | 飼 沼 卓 朗 |
放射線科(治療)
放射線治療
放射線治療はがんに放射線を照射することで腫瘍の縮小や消失を期待する治療です。手術と同様にある部分だけを治療する局所治療になります。
これに対し薬物療法は全身に効果が期待できる全身療法で、役割に違いがあります。
転移がある場合でも症状を和らげる目的で照射は可能です。たとえば骨転移の痛みや腫瘍からの出血に対する止血目的の照射などです。
当院ではリニアック(直線加速器)を用いて高エネルギーエックス線や電子線を発生させ、身体の外から照射します。これらにはがん細胞の遺伝子に傷をつけてがん細胞を死滅させる効果があります。一回の治療時間は10分から15分程度で痛みや熱さは感じません。これを平日のみ毎日行います。照射回数はがんの種類や治療する場所によって異なります。前立腺であれば35回、乳房であれば25~30回、骨に対しては10回が一般的です。副作用は照射する部位によって異なりますが、多くの患者さんは通院での治療が可能であり、ご高齢の方にも治療できます。
受診される方
予約制で担当医の紹介状が必要です。
初めの診察で放射線治療の適応を確認し、照射方法、副作用について説明させていただきます。
納得され同意が頂ければその後治療計画CTを行い、後日照射開始となります。
照射期間中は放射線科でも定期的に診察し、副作用の程度を確認させていただきます。
分からないことがあれば診察時に何でもご質問下さい。
対象となる疾患
前立腺がん、乳がん、肺がん、脳腫瘍、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、直腸がん、子宮がんなど。
各種がんの再発、骨転移、リンパ節転移、脳転移。当院では前立腺がんや乳がんの患者さんが多いです。
特色
当院では画像誘導放射線治療(IGRT : image-guided radiotherapy)が可能です。
照射を行う直前に、治療装置上で撮影した画像を利用して照射部位の微調整を行います。
この技術により高精度の位置合わせが可能になり、治療効果の向上や副作用の軽減が期待できます。
ストロンチウムや塩化ラジウムによる骨転移の治療も可能です。
IMRT、定位照射、小線源治療は行っていません。
治療部門スタッフ紹介
放射線科医長 | 北 野 雅 史 | 日本医学放射線学会 放射線治療専門医 |
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