臨床検査科
国立病院機構相模原病院 臨床検査科へようこそ!
臨床検査科のご案内
【臨床検査技師とは】臨床検査技師は、医師の監督指導のもと、患者さまの血液や尿、便などの検体を用いて検査をしたり、心電図、超音波など患者さまに直接触れて検査する生理学的検査を行うことができる厚生労働大臣認定の国家資格です。医師が病気の診断や治療方針、予後の判定などを決定するのに必要な情報を提供する医療職種です。
また、現在の医療は、医師を中心に看護師、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師、栄養士、リハビリテーション職員(OT、PT)、医療事務職などの各専門医療職が連携して患者さまの診断・治療に当たっています。臨床検査技師もその中の一員として診療に積極的に参加しています。
国立病院機構相模原病院臨床検査科では、患者さまから採取した血液、尿、便、喀痰などの検体を使って検査する検体検査と、心電図や脳波、超音波など、患者さまを直接調べる生理学的検査の二つの部門で構成されています。また、腫瘍細胞などの病理診断を行う病理診断科で標本の作製も行っています。
部門別ご案内
中央採血室
採血風景
外来棟1階にある中央採血室では、採血管準備装置で採血管を準備し、臨床検査技師と看護師のスタッフで採血を行っています。
採血室では検体取り違え防止の為、患者さまご自身にお名前・生年月日を言っていただいています。 ご協力をお願いいたします。
また、検査の項目により採血量や採血本数が違いますので、ご理解をお願いいたします。
採血時のアルコール消毒薬やラテックス手袋などによるアレルギー症状をお持ちの方は、お申し出下さい。
検体検査
【生化学・免疫検査】患者さまから採取した検体で、酵素・蛋白質・糖質・脂質・電解質などを測定し、肝機能や腎機能、糖や脂質の代謝などを調べます。
また、Hbs抗原やHCV抗体などの感染症やリウマチなどの自己抗体検査、腫瘍マーカーなども測定しています。
処理前と処理後の血液 (黄色い部分を検査に使用します) |
全自動生化学分析装置 |
赤血球・白血球・血小板やヘモグロビンなどを測定し、貧血や血液疾患がないか、炎症の程度などを調べます。また、種々の凝固検査も行っており手術前のスクリーニングや治療に役立ちます。
全自動血球計数装置 |
全自動血液凝固測定装置 |
血液型検査(ABO式、Rh式)や不規則性抗体スクリーニング検査(妊娠や輸血によって作られた抗体の有無を調べる検査)また、患者さまが輸血をする場合に行う交差適合試験(その血液製剤が輸血をしても問題がないかどうかを調べる検査)などを行っています。
全自動尿分析装置
尿中の蛋白・糖・潜血・白血球等を定性・定量測定するほか、血球成分や円柱などの有形成分を調べることにより腎疾患や尿路感染症、糖尿病の状態把握に役立ちます。
また、便潜血、髄液、関節液などの検査も行っています。
細菌検査風景
患者さまより採取された検体(喀痰・尿・便・血液など)から感染症の原因となる病原菌を特定し、どの抗生物質を使えば効果があるかを検査します。また、ノロウイルスの迅速抗原検査も行っています。
生体検査
【心電図検査】心臓の電気的興奮を体の表面につけた電極でとらえ波形として記録する検査です。心臓のリズムの乱れを心電図で計測し不整脈の鑑別(危険性の少ない不整脈と治療が必要となる危険性の高い不整脈)、波形振幅の大きさや形の変化で、心肥大や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)等の鑑別診断がなされます。
心電図検査は横臥位で行うもののほか、2段の階段を昇降運動して心臓に軽い負荷をかけ、症状の有無や心電図変化を記録する運動負荷試験(マスターテスト)、運動耐応能を調べるトレッドミル検査、胸部に電極をつけて24時間の心電図を記録・解析するホルター心電図検査があります。
心電計 |
トレッドミル |
肺から出入りする空気の量などを測定して、肺の働きを調べる検査です。もっとも一般的な検査が肺活量の測定で、呼吸器疾患の重症度を調べたり、大きな手術の前に肺の働きをチェックします。また、必要に応じて、その他の精密検査や負荷検査を行います。
呼吸機能検査装置1 |
呼吸機能検査装置2 |
腹部超音波では主に肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓などの形や内部の異常の有無を調べます。産科超音波では胎児の発育状態を週数を追って調べています。心臓超音波は主に心臓の動きや、壁の厚さ、心臓内の弁の状態などを観察する検査です。心臓の中を流れている血流を観察することもできます。その他、血管・乳腺等の超音波検査も実施しています。
超音波画像(肝臓) |
超音波検査風景 |
超音波診断装置 |
脳波測定装置
脳がはたらいている時の電気活動を頭皮上からとらえ波形として記録し、脳神経の働きを見る検査です。
血圧脈波測定装置
両腕両足の血圧を同時に測定し、血管の硬さ・詰まり状態を調べる検査です。
病理診断室
病理診断は病理診断科の医師(病理医)が行いますが、臨床検査技師は病理診断を行うための顕微鏡標本の作製と細胞診断のスクリーニング(正常なものと異常のあるものとのふりわけ)を行っています。病理診断については病理診断科のページもごらん下さい。
【組織診断標本の作製】組織診断とは、患者さまの内視鏡検査や手術で採取された組織や臓器の顕微鏡を用いた診断のことを言います。特にがんの最終診断には欠かすことのできない検査です。
標本作製は、採取された組織や臓器をホルマリン液で固定後、小さく切り(切り出し)、ろう(パラフィン)の中に埋め込みます(包埋 )。これを1~3μmの厚さに薄く切り(薄切)、スライドガラスに貼り付けたあと染色をします。通常はヘマトキシリン・エオジン染色と呼ばれる染色を行いますが、必要に応じて特殊な染色をほどこすこともあります。出来上がった標本は、病理医が診断を行います。
標本作製1 |
標本作製2 |
標本作製3 |
細胞診断とは、尿や喀痰などにがん細胞や病気の影響を受けた細胞がいないかを調べる検査です。子宮がん検診や乳がんの診断に用いられることもあります。
採取された細胞は、スライドガラスに塗りつけ、アルコールで固定後、染色を行います。通常はパパニコロウ染色と呼ばれる染色を行います。出来上がった標本は日本臨床細胞学会から認定を受けた臨床検査技師(細胞検査士)がスクリーニングを行い、病理医(細胞診専門医)が最終診断を行います。