救急科

特色

相模原病院の救急医療を支える救急科

相模原病院に救急科が発足したのは2017年度のことです.それ以前,当院の救急医療は各診療科の医師が日々の業務の傍らで兼務する体制でありました.地域の救急需要が年々高まる中,各診療科の理解と協力体制を確立し,救急科が独立した診療部門として誕生しました.当院の救急医療は,「かかりつけ患者を断らない」「二次救急当番で断らない」という理念を掲げ,地域の医療機関からの要請には柔軟に対応し,各診療科と密に連携しながら,部門横断的に患者さんを受け入れる体制を構築しています.

増加する救急搬送件数

救急科が発足した2017年度には3,936件だった件数は,その後も増加の一途をたどり,2024年度には7,137件と,7年間で約1.8倍になりました.特に,2019年度には年間5,000件を超え,コロナ禍においても搬送件数を減少させることなく,当院が相模原市における救急医療の中心的役割を担っていることが数字の上でも裏付けられています.

進化する救急医療への取り組み

当院の救急科は,増え続ける救急需要に対応するため,既存の枠組みにとらわれない様々な取り組みを進めています.
診療看護師,救急救命士の導入と役割拡大: 診療看護師は2022年度から1名を採用し,当初は手術室で活動していましたが,2025年度からは救急科に帯同し様々な処置路行っています.救急救命士は2024年度から3名採用,2025年度からは7名体制で運用しています.彼らの役割は救急外来における初期対応や診療補助,トリアージ,バイタルサインの測定,迅速な点滴ルート確保,心電図の装着などを医師と連携して行っています.医師や看護師の負担を軽減し,救急医療の質の向上に大きく貢献しています.

院内BLS・ICLS研修: 救急科は,院内全体の救命技術向上を目指し,BLS(一次救命処置)およびICLS(二次救命処置)の講習会を定期的に開催しています.心肺停止や急変発生時,迅速なBLSは予後を大きく左右します.この講習を通じて,救急外来だけでなく,全ての病棟や部署の職員が,初期対応の知識とスキルを身につける体制を構築しています.

RRT/RSTによる緊急対応: 院内での急変を未然に防ぎ,より迅速な初期対応を実現するため,RRT(急変時対応チーム)/RST(呼吸ケアサポートチーム)を導入しています.これは,病棟の患者さんのバイタルサインの変化などを早期に察知し,急変に至る前に救急医や診療看護師,集中ケア認定看護師,薬剤師,理学療法士といった専門チームが介入するシステムです.この予防的な医療の取り組みは,患者さんの安全を確保し,救命率の向上に寄与する重要な一歩となります.

未来への展望

救急科は,これからも相模原市の中核病院として,その使命を全うしていきます.将来的には,救急救命士のさらなる専門性向上,地域医療との連携強化,災害医療における役割の拡大など,新たな課題にも積極的に取り組んでいく所存です.当院の救急医療は,常に進化を続けます.地域住民の皆様の命と健康を守るため,そして相模原市の医療体制の中核を担うべく,日々業務に邁進してまいります.

スタッフ紹介

救急科部長 細谷   智 日本消化管学会 胃腸科専門医・指導医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本外科学会 外科専門医
日本腹部救急医学会 腹部救急認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本外科感染症学会 インフェクションコントロールドクター
日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
身体障害者福祉法指定医
救急科医長 朝隈 禎隆 日本救急医学会 救急科専門医
救急科医長 井上 裕路 日本救急医学会 救急科専門医