消化器内科
受診される方
初診の方は月曜日から金曜日の8時30分~11時00分まで受付しております。
当科は近隣の診療所や病院との病診連携を強めており、他院からの紹介状を持参される方を最優先に診療いたします。
再診の方は予約制で再診予約の変更は14時00分~15時00分の間、内科外来受付にて電話での変更も可能です。
対象となる疾患
肝胆膵疾患
胆石症 急性膵炎 急性肝炎 肝臓がん | 総胆管結石 慢性膵炎 慢性肝炎原発性胆汁性肝硬変 | 胆管がん 膵臓がん 肝硬変 |
消化器疾患
逆流性食道炎 胃がん 大腸ポリープ | 食道がん 潰瘍性大腸炎 | 胃十二指腸潰瘍 大腸がん |
特色
消化器内科は 院長の理念のもと患者様の負担が少ない、低侵襲の内視鏡治療を主体に治療に当たっております。
消化器疾患としては、上部消化管疾患、下部消化管疾患、肝臓疾患、胆膵疾患で構成されています。
日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の認定施設となっており日本肝臓学会認定施設の関連施設です。
当院では当科と消化器外科、放射線科で定期的なカンファレンスを実施し患者様に適切な治療(手術療法、抗がん剤治療、内視鏡治療、IVR治療)が提供できるよう心がけています。近隣大学病院とも連携し治療に対応しております。
上部消化管疾患
ヘリコバクターピロリ感染の除菌療法、出血性胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡治療、早期胃癌の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、早期食道がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)も導入しております。
(ESDの詳細については後述)
手術適応のない食道癌、胃癌については抗がん剤治療、放射線治療を施行しております。
腫瘍による消化管狭窄については、食事摂取などQOL改善のため内視鏡的金属ステント留置術を施行しています。
適応疾患:逆流性食道炎、胃がん、食道がん、胃十二指腸潰瘍、粘膜下腫瘍
下部消化管疾患
大腸ポリープの内視鏡切除術をはじめ、大型の腫瘍については早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行しています。(ESDの詳細については後述)
進行期大腸がんによる腸管狭窄、大腸イレウスについてはbridge to surgery目的で内視鏡的金属ステントを留置し食事摂取を可能とし、外科的手術待機期間の全身状態管理に努めています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎)に対する、生物学的製剤、免疫抑制剤、JAK阻害薬などの治療を施行しております。
適応疾患:早期大腸がん、潰瘍性大腸炎
胆膵疾患
主に胆嚢、胆管、膵臓領域の疾患の診断、治療を行います。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)検査・治療は緊急対応も可能であり、CT検査、MRI検査や放射線科と連携しての安全・迅速な治療介入が可能です。ERCPの件数は年々増加し2022年度は355件実施しました。
また消化管粘膜下腫瘍や胆膵疾患の診断に有用な超音波内視鏡検査(EUS)は以前から当院でも行ってまいりましたが、2022年より超音波内視鏡下吸引生検(EUS-FNAB)を導入開始し20件施行し、確定診断、治療に有用でした。
EUSの件数についても年々増加傾向にあり、2022度は205件の検査実績があります
適応疾患:胆石症、胆嚢炎、胆嚢ポリープ、胆嚢癌、総胆管結石、閉塞性黄疸、胆管炎、IgG4関連胆管炎、
胆管癌、肝内胆管癌、急性膵炎、慢性膵炎、膵癌、膵神経内分泌癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、IgG4関連膵炎(自己免疫性膵炎)
肝臓疾患
「肝臓は沈黙の臓器」と言われているように、倦怠感、黄疸やむくみが出た時には、肝臓のダメージは既にかなり大きくなっているため、肝機能障害を指摘されたときには早めの受診をお勧めしています。
肝炎ウイルス(B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎など)、薬剤、自己免疫など肝障害の原因は多岐にわたり、原因を精査して治療に当たっています。
慢性肝障害、肝硬変、肝がんの原因も、以前は多かった肝炎ウイルス以外に、最近は糖尿病や高脂血症による脂肪肝などが増えてきています。
肝硬変になり、門脈圧亢進症症状が出現すれば、腹水がたまり、吐血(食道胃静脈瘤破裂)するリスクも増えてきます。内服だけでは治療困難な場合には、放射線科と協力して内視鏡治療や血管造影系IVR(interventional radiology)治療を行っています。
肝臓がん治療は手術目的で消化器外科に紹介する以外に、放射線科と相談して肝動脈化学塞栓療法TACEやラジオ波焼灼療法RFAを選択しています。内科的には、化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤など、患者様に最適な方法で加療しています。
国立病院機構肝疾患ネットワークに永年参加することにより、全国的なデータ集積に基づいた専門的肝疾患治療提供を心がけています。
2022年度 | |||
---|---|---|---|
上部内視鏡検査 | 2567 | ||
下部内視鏡検査 | 2277 | ||
ERCP | 355 | ||
超音波内視鏡 | 205 | ||
EUS-FNAB(超音波内視鏡下穿刺吸引生検術) | 20 | ||
内視鏡治療 | 上部消化管 | ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) | 53 |
内視鏡止血術 | 107 | ||
下部消化管止血術 | ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) | 47 | |
内視鏡止血術 | 79 | ||
ポリープ切除術 | 1462 |
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは
ESDとは「内視鏡的粘膜下層剥離術:Endoscopic Submucosal Dissection」の略語です。
食道や胃、大腸のがんは粘膜層から発生するため、粘膜層に留まる早期がんに対して内視鏡で病変を一括切除するという治療法です。胃ESDは2006年より保険収載され、次に食道ESDが2008年、大腸ESDは2011年より保険治療として現在では標準的に行われています。
適応:
表在食道癌
「粘膜固有層までに癌の浸潤が留まるもの」が絶対適応です。
さらに相対適応として「がんの深さが粘膜筋板に達したもの、粘膜下層の浅層に留まるもの」とされていますが、これらはリンパ節転移の可能性が残ります。しかし、他の治療法はより侵襲的となることを考慮し、新しい食道癌ESD/EMRガイドラインではまずは内視鏡治療も検討が可能となりました。また、粘膜切除が全周に及ぶ場合は、切除後の狭窄の発生が予測されるため十分な話し合いと狭窄予防が必要とされています。
早期胃癌
腫瘍の大きさ、組織型(分化型、未分化型)、深さ、潰瘍合併の有無により規定されます。
絶対適応病変は、
・がんの深さが粘膜層に留まり、腫瘍径2cm以下、潰瘍を伴わない分化型がん
・2cmを超えるが、潰瘍を伴わず深さが粘膜層に留まる分化型がん
・3cm以下の潰瘍を伴う、深さが粘膜層までの分化型がん
・2cm以下の潰瘍を伴わない深さが粘膜層までの未分化型がん
早期大腸癌
・腫瘍の大きさが2cm以上のスネアによる一括切除が困難な早期がん
・内視鏡的切除後の局所遺残早期がん
適応については治療前の精査内視鏡にて、詳細な病変の観察を行った上で決定しています。最終的には切除後の病理組織診断の結果によって、転移の危険性が判明した場合には、後日、追加外科手術をお薦めする場合があり
当院のESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)治療実績
ESD | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|
食道 | 2 | 8 | 4 | 2 | 4 |
胃 | 23 | 32 | 48 | 50 | 49 |
大腸 | 58 | 45 | 39 | 57 | 47 |
合計 | 83 | 85 | 91 | 110 | 100 |
スタッフ紹介
院長 | 安 達 献 | 日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医 日本内科学会 認定内科医・指導医 |
---|---|---|
消化器内科部長 内視鏡センター長 |
菅 野 聡 | 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 日本内科学会 認定内科医 |
消化器内科医長 炎症性腸疾患治療センター長 |
迎 美 幸 | 日本消化器病学会 消化器病専門医・指導医 日本内科学会 総合内科専門医 日本肝臓学会 肝臓専門医 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医 |
消化器内科医長 内視鏡室長 |
川 岸 加 奈 | 日本消化器病学会 消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 日本内科学会 認定内科医 |
消化器内科医師 | 齋 藤 公 哉 | |
消化器内科医師 | 和 田 尚 久 | 日本消化器病学会 消化器病専門医 日本肝臓学会 肝臓専門医 日本内科学会 認定内科医 |
消化器内科医師 | 佐 野 達 哉 | 日本内科学会 内科専門医 日本消化器病学会 消化器病専門医 |
消化器内科医師 | 武 内 久 旺 | |
消化器内科客員医長 | 中 村 陽 子 | 日本消化器病学会 消化器病専門医 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医 日本肝臓学会 肝臓専門医・指導医 日本内科学会 認定内科医・指導医 日本医師会 認定産業医 |