治験に関するQ&A
主治医から参加するように頼まれたらどうすればいいの?
主治医に依頼されたら、よく説明を聞いて、納得した上で決めてください。
治験を開始する前に、主治医・治験コーディネーターから、治験の目的、予測される効果、治療方法、起こるかもしれない副作用などを詳しく説明します。そこで十分理解し、納得されたら書面で同意をしていただきます。家に戻られてから考えた結果、断るのも自由ですし、治験の途中で中止することも自由です。治験に参加しなかったり途中で中止しても、主治医があなたにとって最善と思われる治療をおこないます。
治験に参加しても今まで通りの診療をうけられるの?
診療は通常通りうけることができます。
治験に参加したからといって、今まで通りの診療が受けられなくなることはありません。ただ、治験薬と似た成分や効能のあるくすりや、飲み合わせの悪いくすりは使用に制限があったり、場合によっては治験中一時的に使用できない場合もあります。
治験に参加中の医療費はどうなるの?
治験薬の使用期間中は、医療費としてお支いいただく金額が、通常よりも減額されることがあります。
治験薬は治験を依頼している製薬会社(治験依頼者)からの提供となりますので、費用はかかりません。また、治験薬を使用している期間中(特定療養期間)は現在使用されているお薬の一部の費用を治験依頼者が負担することもあります。特定療養期間は血液検査・尿検査や画像検査の費用も治験依頼者負担になります。そのため、治験に参加されている期間中はそれまでよりもお支払いいただく金額が減額されることがあります。
また治験に参加されると、それまでよりも来院回数が増えたり、診療に時間がかかることがあるため、交通費や通院に際してかかる費用の負担を軽減していただく目的で『負担軽減費』として、治験のための来院1回につき¥7,000ずつお支払いしています。
治験をはじめたら途中でやめられるの?
治験に参加することも、中止することも患者様の自由意志で決めることができます。
治験は患者様の自由意志によって参加していただき、中止の申し出があればいつでも中止することができます。ただし治験薬の使用を開始している場合は中止の時点で、安全性確認のための検査がありますのでご協力ください。
また、患者様から中止の申し出がない場合でも、治験担当医や主治医が治験継続を適当でないと判断した場合などは治験が中止になります。治験中止や終了になった場合でも、主治医が患者様に最適だと考えられる治療を提供します。
副作用がでることはありますか?
どんなお薬にも副作用があります。したがって、治験薬によっても副作用がでる可能性があります。
治験期間中、患者様におきた有害なことを『有害事象』とよんでいます。その中には途中で風邪をひいたり、転んで捻挫をしたなど、治験薬の使用とは直接の因果関係がないと考えられる事象も含まれます。
治験中の診察や検査では有害事象のチェックを重視していますが、患者様自身が何かおかしいと感じられたときには、すぐに担当医師などに話してください。医師によってすみやかに適切な処置がとられます。その有害事象が治験薬の使用によって起きたものと考えられ、そのことによって被害を受けた場合、患者様は負担した医療費・入院費の補償(賠償ではありません)を請求することができます。
治験に参加することにメリットはありますか?
あります。
治験に参加すると、以下の点をメリットとして考えていただけるのではないでしょうか。
- 治験に参加し治験薬の使用をすることは、まだ未発売の新薬を使用できる機会を得ることになります。特に、他には治療法がない場合、治験薬がその病気の治療薬になることもあります。
- 治験計画にプログラムされている定期的な検査を受けることができます。
- 治験専門の看護師や薬剤師(治験コーディネーター)による個別対応。
- 治験に参加することは新薬誕生のための創薬・育薬ボランティアとして、社会貢献になり、次世代の人々の健康に貢献できること。